NewsLetter

GWSからのNews Blogです

3.特殊セメント
特殊セメントには、アルミナセメント、超速硬セメント、超遅効セメント、コロイドセメント、超微粒子セメントなど、ニーズに応じて開発された多くのセメントがあります。

3.1 アルミナセメント
 このセメントは、ボーキサイトと石灰石を原料として、これらを粉砕、調合して電気炉、ロータリーキルンなどで、溶融、あるいは焼成して作られます。注水後6~12時間で、普通ポルトランドセメントの28日強度に匹敵する強度を発現します。
 用途としては、緊急工事、寒冷期の工事、耐火物などです。

3.2 超速硬セメント
 超早強セメントより、さらに大きな初期強度を得るためにアルミン酸カルシウムの含有量と石膏の添加量を調節して製造します。凝結・硬化を調節できるので、レギュレイテッドセットセメントと言われたり、初期強度発現の速さを強調して、one hour cementとも言われています。
 用途としては、東名、名神などの高速道路、羽田、成田などの空港滑走路の緊急性を要する修復工事などに多用されています。その他セメント2次製品、吹付けコンクリート、グラウトなどに用いられています。

3.3 超遅効セメント
 超速硬セメントとは、逆のニーズに基づいて開発されたセメントです。関西国際空港は、洋上の埋め立て空港ですので、建設に当たっては、海底地盤の改良工事が必要です。改良に当たっては、地盤中に超遅効セメントを撹拌しながら硬化柱状体を多量に施工して、硬化柱状群を構築します。しかもその硬化柱状体群を連結させる必要があり、その接着性を確保するために、施工2~3日後に硬化することが、要求されるのです。
 このように、洋上に建造物を構築するための基礎工事に用いられるセメントです。

3.4 コロイドセメントと超微粒子セメント

 軟弱地盤、岩盤のグラウトなどに用いられるセメントとして、50%粒径10μ、最大粒径40μ程度に微粉砕されたコロイドセメントと50%粒径4μ、最大粒径10μにシャープに微粉砕(化粧品のおしろいほどの細かさ)された超微粒子セメントがあります。
 コロイドセメントは、青函トンネルの建設工事などに用いられています。
 超微粒子セメントは、上越新幹線 中山トンネル(谷川岳 標高400~-650mの地表下200~400mを貫く世界有数の山岳トンネル)の建設工事などに用いられています。
 これらのセメントは、地盤改良、液状化防止、道路、ダムなどの建設に用いられています。

3.4 その他の特殊セメント
 現在開発を急がれている再生エネルギーの一つである地熱発電用の油井の掘削に際して、高温高圧下で使用可能にした油井セメント、ヒューム管製造用として耐酸性を指向したセメント、吹付け、薬液注入工法などに用いられる急結、瞬結材など、さらにニーズに基づいた開発が要請されています。

以上

  • RSS
  • Delicious
  • Digg
  • Facebook
  • Twitter
  • Linkedin
  • Youtube